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胆道・膵臓領域
胆道疾患には、胆石症、胆嚢炎、胆管炎、胆嚢ポリープといった良性疾患や、肝内胆管癌、胆管癌、胆嚢癌などの悪性疾患があります。
膵疾患としては、近年急速に増加傾向にある膵癌をはじめ、急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎、膵嚢胞性疾患、神経内分泌腫瘍などに対する診療を行っています。
化学療法
胆道癌および膵癌は、あらゆる悪性疾患の中で最も予後が不良とされています。当科では、切除不能と判断された患者さんに加えて、外科との密な連携により、切除成績を向上させる目的で術前化学療法を行っています。また、日常生活の質を維持しながら外来通院治療ができるよう、化学療法のみならず、積極的に緩和医療や支持療法を行って、患者さんとご家族の心身の苦痛を和らげたいと考えて診療にあたっています。
一次化学療法として、胆道癌に対しては、ゲムシタビン、シスプラチン、S-1といった抗がん剤を併用します。膵癌に対しては、5-FUやゲムシタビンをベースとした併用投与又は単独投与を行います。近年、有効な二次化学療法も開発され、従来の治療に比べると、治療成績は飛躍的に向上しています。
また、当科や他施設との共同で実施している様々な臨床研究を通して、膵癌を早期に発見するサーベイランス、患者さんとご家族のご心配に寄り添う医療体制の確立、有効性が高く副作用が軽減できるより良い治療法の開発に寄与したいと考えています。
胆膵領域内視鏡
ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)とEUS(超音波内視鏡)を中心に胆膵領域の診断治療を行っています。
ERCPでは、従来の造影やIDUS(管腔内超音波)などによる検査に加えて、胆道ビデオスコープを積極的に導入し、胆管癌の範囲診断や的確な生検診断をおこない、治療困難な胆管結石に対しては胆道鏡下によるEHL(内視鏡的結石破砕術)を施行しています。また、閉塞性黄疸や敗血症を伴う胆管炎に対しては、夜間・祝日でも緊急で経乳頭的ドレナージ術(経鼻チューブ・ステント留置など)を行う体制を整えています。
EUSでは、腫瘍性病変に対するEUS-FNAB(超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診・組織診)や仮性膵嚢胞などに対するEUS下ドレナージ施行例が年々増加しております。