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腸内細菌研究グループ

研究概要

腸内細菌叢が人の健康にとって重要な役割を持ち、健常な腸内細菌叢が失われることにより疾患が増悪することが分かってきました。腸内細菌の研究は19世紀に端を発するわけですが、特に右肩上がりに盛り上がり始めたのは2008年ごろです。次世代シーケンサーの発展により腸内細菌叢の中にどんな細菌が何%存在するかを網羅的に決められるようになったのがちょうどこのころであり、アメリカのThe Human Microbiome Project(アメリカ国立衛生研究所など)やヨーロッパのThe MetaHIT Projectといった2大プロジェクトが始まった年です。それまでは腸内細菌叢の一部の細菌しか決定できなかったわけですから、細菌叢のすみずみまでようやくその正体が見えるようになったのです。
金沢大学消化器内科でもこの古くてかつ最先端分野の研究を2012年から開始しています。Illumina社のMiseqという次世代シーケンサーを毎月のように稼働させ、色んな疾患患者さんの腸内細菌叢の正体を明らかにしつつあります。さらに腸内細菌叢のいないマウス、つまり無菌マウスを飼育し実験を行うことで腸内細菌叢がどのような疾患の原因となっているかも研究しています。
患者さんの検体を集め、次世代シーケンサーで腸内細菌叢の中身を明らかにし、無菌動物実験で細菌叢の持つ働きを証明する、これら全てを私たちの研究室で行っています。腸内細菌叢研究を1つの研究室で完結できるという日本でも珍しい第一線の研究室です。
さらに、健康な腸内細菌叢を疾患患者さんに移植すると病気が良くなることも最近、注目を浴びています。我々の研究室でも2016年から炎症性腸疾患患者さんに健康な人の腸内細菌叢を移植する便細菌叢移植臨床試験を行いました。今後も便細菌叢移植の新たな試験を行うべく計画中です。

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